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”危ない食品”から身を守るために [食べる]

昨夜(2008年1月30日)から、様々なメディアで大きく取り上げられている中国産冷凍ギョーザの中毒問題。大手企業が関係していたこともあり、影響範囲はますます大きくなりそうだ。

昨年から引き続き多発する食品問題。今回は過去に自主回収となった食品を中心に「新聞・雑誌記事横断検索」を使って調べてみた。

●自主回収って?

そもそも自主回収に基準はあるのだろうか。
答えはノーである。

名前の通り、”自主的に回収する”ことを指しているため、国が定める法規制などはない。ただし、各自治体で独自に定めた制度がいくつか存在する。

東京都では、平成16年11月1日から東京都食品安全条例に基づく「自主回収報告制度」が施工された。

この制度は、食品の製造事業者等が食品衛生法違反や健康に悪影響を及ぼすおそれのあることに気付き、自主的に食品等を回収する場合に、都に内容の報告をするというものである。

なお、この制度は自主回収の報告を義務付けるものであり、自主回収自体を義務付けるものではない。

●2008年になってから自主回収となった商品

では、実際に2008年になってから自主回収となった食品はどれくらいあるのだろうか。「新聞・雑誌記事横断検索」で以下の検索条件で検索をしてみた。

検索条件1:日付が2008年1月以降
検索条件2:見出しに”自主回収”を含む

検索条件に”食品”と限定するキーワードを入れなかったが、なんと2008年1月以降だけで43件もの記事がヒットした。なお、記事作成時には1月31日朝刊の記事がすべて収録されているわけではないので、改めて検索してみるともっと数は増えると思われる。

いくつか事例を紹介する。

  • 牛肉たたき(福島)→賞味期限の誤表記
  • マッシュルーム缶詰→異臭
  • スナック菓子→賞味期限の表示が一部欠落
  • ドーナツ(群馬)→ガラス片が混入
  • せんべい(福島)→賞味期限の誤表記
※詳細は、「新聞・雑誌記事横断検索」の記事を参照

●昨年1年間の自主回収

新聞記事によると、昨年1年間で自主回収された食品は765件にも及ぶという。
これは前年の3倍であり、過去最多。

品目別では菓子類が全体の28・1%(213件)で最も多く、次いで調理食品14・8%(112件)、加工魚介類8・8%(67件)の順。

昨年は食品関係の事件が相次いだため、企業側も積極的に報告をする傾向にあったのも件数が増えた理由であると考えられる。
意図的な問題というより、消費期限や原材料の誤表記などの表示不適切が回収理由で最も多かったことからもそのことが伺える。

なお、回収理由で多かったものは以下の通り。

  • 「表示不適切」 →322件(42・5%)
  • 「規格・基準不適合」 →111件(14・6%)
  • 「品質不良」 →102件(13・4%)
  • 「異物混入」 → 95件(12・5%)

●”もったいない”とのバランス

これらの自主回収は、企業側が利用者の安全を考慮して結果、行われるもの。
過失が判明した時点でまずやるべきことであることに違いはないのかもしれない。

ただし、回収された食品すべてが体に害があるわけではないことも事実である。
健康上の影響はないが、自主回収した例もいくつかある。

消費者に対し過敏に反応した場合も多く、これらの商品も回収されれば廃棄処分にされる運命にある。結果的に”もったいない”ということになってしまう。

人為的なミスや意図的な偽装があった場合は許されるものではなく、品質管理の徹底は当然に行うべき義務である。ただし、消費者へおわびをすることだけが責任ではない。

たとえば、”この商品は表示に誤りがあったため自主回収する”とするのではなく、”この商品は、こことここに表示の誤りがあったが、調査の結果健康に問題が無いことが判明した”とすることで、消費者へ安全性を示すことも重要なのではないだろうか。

国内外に関わらず、食品への不安が仰がれる事件が続いているが、消費者からの信頼関係を築くことが最も重要なことではないだろうか。

(text by な)

■関連情報サイト


2008-02-04 18:42  nice!(1)  トラックバック(0) 
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忘年会シーズンを泥酔せずに乗り切ろう [食べる]

年末に近づくにつれて、みなさんもお酒を飲む機会が増えてきているのではないだろうか?
毎年この季節は、道端や駅のホームなどで泥酔している人をよく見かける。
自分はそうはなるまいと思っていたが、ここ最近では人ごとでなくなってきている。
そんなことにならないために、G-Searchの新聞・雑誌記事横断検索で泥酔にまつわるいろいろな話を調べてみた。

飲むとどうして記憶がなくなるのか

人間の記憶は、短期記憶、中期記憶、長期記憶の大きく3つに分けられるそうだ。目や耳から入ってきた情報の中で興味を持ったものは短期記憶され、短期記憶の中で特に興味や関心を持ったり、脳で理解したものは中期記憶されてしばらくの間保存され、その間に長期記憶すべき情報かどうかの振り分けがされる。

しかし、お酒を飲むと情報の受け皿が機能しなくなるので、短期記憶はできても、それ以上の記憶ができなくなってしまうのだ。つまり、記憶をなくすというよりは、むしろ新しい記憶ができないといった方が正しい。

泥酔した時にまったく覚えていなくても、きちんと家に帰れるのは、家に帰る道順は新しい記憶ではなく過去の記憶だからである。

二日酔いにならないために

二日酔いにならないためには、飲酒前、飲酒中、飲酒後にそれぞれ対策があるようだ。

まず、飲酒前の対策から。

飲む前に牛乳を飲むというのは有名かもしれない。乳製品に含まれる脂肪が胃に膜を張って、アルコールの吸収を穏やかにしてくれるからである。お酒を飲む30分~1時間前に摂取するといいらしい。

また、豆腐や枝豆など良質なタンパク質をとることも忘れてはならない。タンパク質は肝臓の機能を高め、アルコールの代謝を促進してくれるからだ。事前にとることが無理なら、飲み始めの最初のおつまみに積極的に注文しよう。

最近よく薬局やコンビにで見かけるウコンも効果的だ。ウコンの主な有効成分は「クルクミン」という精油成分で、胆汁の分泌を活発にし、肝臓全体の働きを良好に維持すると考えられている。

では、飲酒中の対策はどのようなものがあるだろうか。

一番簡単なのは、水を同時に飲むことである。水を同時に飲んでおくとで、アルコールの飲みすぎ防止と同時に、肝臓への負担を軽くし二日酔いを軽減ことができるからだ。

また、二日酔い対策のお酒としては、生グレープフルーツサワーがおすすめらしい。グレープフルーツはアルコールの分解を助け、二日酔いを軽くする効果があるそうだ。

ただし、飲む方にばかり一生懸命になってはいけない。アルコール代謝を助けるおつまみを積極的に食べる必要がある。先ほど紹介したタンパク質はおつまみには最適だ。豆腐や枝豆、チーズなどは良質なタンパク質が含まれている。
また、ナッツ類などに含まれるビタミンEにはアルコール代謝を促進するはたらきがある。

最後に飲酒後の対策

上記対策を施しても、万一二日酔いになってしまった場合は、アルコールの代謝を促進することと、アルコール分解の途中で生じたアセトアルデヒドの分解を促すことを心がけよう。
まず一番にすべきことは水分補給である。

お酒を飲んだ後や翌日には喉がとても渇く。
それはアルコールの分解に、体内の水分が消費されるからで、十分な水分補給を行わないと、アルコールの分解が滞ってしまうことになる。

そういった時には、不足しているビタミンやミネラルも一緒に補うことができるポカリスウェットなどのスポーツドリンクは最適だ。

シジミの味噌汁なども昔から二日酔いにはいいと聞くが、シジミに含まれているタウリンが肝臓の解毒作用を促し、アセトアルデヒドの分解も促進する。また、メチオニンというアミノ酸やビタミンB12、グリコーゲンには肝機能を高める作用がある。

さらにはオレンジジュースもいいらしい。オレンジに含まれる果糖はアルコールの分解を早め、ビタミンCはアセトアルデヒドの分解を促進してくれる。

ここまでいろいろ調べてみたが、飲みすぎないことが一番の対策かもしれない・・・

(text by た)

■関連リンク


2007-12-10 18:03  nice!(0)  トラックバック(0) 
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安心で安全な食品って?意外に奥が深い「食品表示」 [食べる]

先日冷蔵庫を整理していると、賞味期限が10日以上過ぎたヨーグルトが出てきました。その時は泣く泣く処分したのですが、もう少し発見が早ければと思うと切なくなりました。
ところでこの食品表示、いったいどの位忠実に守れば良いものなのでしょうか。
G-Search新聞・雑誌記事横断検索で食品表示について調べてみました。

●「消費期限」と「賞味期限」

食品表示には「消費期限」と「賞味期限」の二種類があります。違いは何なのでしょう。

「消費期限」:品質が劣化しやすく、製造日を含めておおむね5日以内で品質が急速に劣化する食品の期限表示。開封していない状態で表示されている保存方法に従って保存したときに、食べても良い期限を示しています。例えば、弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、食肉、生めん類などがあります。

「賞味期限」:消費期限に比べ、品質が比較的劣化しにくい食品等に表示する期限表示。 開封していない状態で表示されている保存方法に従って保存したときに、おいしく食べられる期限を示しています。したがって、賞味期限を過ぎても食べられなくなるとは限りません。例えば、スナック菓子、即席めん類、缶詰、牛乳、乳製品などがあります。

ということは、あの時ヨーグルトを食べていても問題は無かったのです。しかし、日にちの過ぎたものを食べて何かあれば、責任は食べた人にあるそうです。あのヨーグルトを食べておなかが痛くなったとしても、自分を責めるしかないわけです。

そして、注意しなければならないのは、表示されている期限は開封後も保証されているわけではないということです。一度開封したものは、表示されている期限にかかわらず早めに食べるようにしなくてはなりません。

●お早めにっていつまでのこと?

「開封後はお早めにお召し上がりください」こんな注意書きってよく目にしますよね。でも気になりませんか?お早めにっていったいいつまでのことなのでしょう。

例えばあるメーカーのめんつゆの場合、ストレートタイプで3日、濃縮タイプの場合は1~2週間で使い切るのが望ましいそうです。一言で「お早めに」といっても商品によってその期間はさまざまなのです。そこで、最近では「開封後○日以内にお召し上がりください」といったような表示のある商品も増えてきたようです。

しかし、食品の状態は各家庭の保存方法によって左右されてしまいます。表示にとらわれるのではなく、最終的には食べる人が判断しなくてはならないのです。

●食品表示のからくり

野菜、魚、肉類などの生鮮食品には、基本的にその食品の「名称」と「原産地」を表示するようになっています。 国産品の場合、野菜は「都道府県名」を表示しなければなりませんが、肉類の場合は「国産」か「外国産」かが分かれば良いようになっています。

水産物の場合は「漁獲された水域」の表示を義務付けられるようになっていますが、どこで取れたか判断できない場合は水揚げされた港の名前や、その港がある都道府県名でも構わないことになっています。そのため、神奈川県沖で取れたマグロでなくても、三崎港で水揚げされたマグロは「三崎のマグロ」という表示が許されています。

ちなみに、刺身は単品の場合、名称及び原産地を表示しなければなりませんが、盛り合わせは原料原産地表示の対象とはなっていないので原産地の表示は必要ありません。

食品表示、意外に奥が深いのです。

●安全でかしこい食品選び

みなさんは食品を選ぶときに何を重視しているでしょうか。表示やマークの確認は食品を選ぶ判断基準の一つですが、食品表示の偽装が相次いで発覚するなど、表示に対して不安を感じている人もも多いと思います。そこで、表示以外で判断できる食品のかしこい選び方のポイントをいくつかご紹介します(厚生労働省HPより)。

牛肉:鮮やかな赤色(子牛肉は淡いピンク色)で、脂身はツヤのある白いものが新鮮です。
魚 :一尾ものの魚は目が澄み、えらが鮮やかな赤色の、うろこがきれいについているものが新鮮です。
鳥肉:色が鮮やかで弾力とハリがあり、皮の毛穴が高く盛り上がっているものが新鮮です。
野菜:例えば夏の時期が旬のトマトやナスは、色が濃くて、ツヤ・ハリがあり、重みのあるもの、へたの切り口がしなっとしたり、枯れたりしていないものが新鮮です。

安心で安全な食品のために、自分でより良い食品を選ぶことのできる力を養ってみてはどうでしょうか。

(text by わ)


2007-08-27 14:22  nice!(0)  トラックバック(0) 
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食品のオリンピック、モンドセレクションとは? [食べる]

ビールのおいしい季節、テレビでも様々なコマーシャルを見かけるようになった今日この頃、ザ・プレミアム・モルツのこんなCMをご存知でしょうか?
シュポッ、コポコポコポコポ シュワー 
矢沢永吉がビールをついで美味しそうに飲んでいる中、画面いっぱいに映し出される文字

「3年連続最高金賞受賞」
確かにうまい。
「最高金賞品質」

確かにうまそう・・・と感じるこの最高金賞、何の賞か知っていますか?
さっそく、G-Searchの「新聞・雑誌記事横断検索」を使い調べてみました。

●世界食品オリンピック?食品のノーベル賞?

最高金賞とは「モンドセレクション」という世界の食品品評会において最も高いランクの特別金賞(GRAND GOLD MEDAL)のことをいっている。「モンドセレクション」は食品の品質向上を目的に、ベルギー政府とECによって1961年に創設さ れたもので、世界的にも権威があることから「食品のオリンピック」とも呼ばれているのです。

また食のノーベル賞とも称されるこの賞、何がどうなったら受賞できるのか?

オリンピックとはいえ順位を競うものではなく、原則審査料を払ってエントリーしたものに大して審査が行われることになっています。エントリーされた商品をベルギー経済省認定の機関が衛生、味覚、包装、原材料などの項目で審査、項目毎を点数化し100点満点で評価、その得点に応じて4段階の賞が与えらるというわけです。

95点~100点 特別金賞(=最高金賞)
85点~94点  金賞
75点~84点  銀賞
65点~74点  銅賞

さらに同一商品が3年連続して金賞以上を受賞すると国際優秀品質賞を授与される。「3年連続最高金賞受賞」のザ・プレミアム・モルツは「国際優秀品質賞」でもあるわけで、こうなってくると何だか一度飲んでみたくなりますね。

●「モンドセレクション」の経済効果?

この高い品質を訴求する効果は売上にも現れているようです。メーカ各社が熾烈な争いを繰り広げているビール業界において、なかなかの好調ぶりを発揮しています。
2006年は前年の4.3倍となる5百55万ケース(1ケースは大瓶20本分)を売っていたのが、なんと2007年6月は月間販売数量が100万ケースを突破した、とニュースになっているではありませんか。
この好調な売上の背景に、あの「3年連続最高金賞受賞」のキャッチが大いに一役かっていると考えられるでしょう。

●「モンドセレクション」受賞セレクション

5月28日、今年も授賞式が行われた「モンドセレクション」。2007年の栄えある受賞食品の中から歴史を感じるもの 、健闘を伺わせるもの、世界で審査してもらっていいの?というものを一部ご紹介。

 和歌山県・田端酒造の大吟醸酒「羅生門・龍寿」 19年連続最高金賞受賞
 秋田県・寛文五年堂の「いなにわ手綯(てない)うどん」 9年連続最高金賞受賞
 不二家・「アーモンドチョコレート」「まろやかミルクチョコレート」最高金賞受賞  
 福岡県・樽味屋の「カリカリらっきょう」 漬物で初めて最高金賞受賞
 広島県・ますやみその「見返り美人」 赤味噌、白味噌でW金賞受賞 
 その他、沖縄県・JCCの「龍潭豆腐よう」、熊本県・江藤さん開発「オルガ無洗米 熊本 産ヒノヒカリ」、静岡県・小柳津清一商店の玉露「極」etc

まさに「枚挙にいとまなし」といったところ、こうしてみるとあらゆる地方の企業が参加していることがわかります。そして受賞についての各社のコメントも「伝統的な味を世界に広めたい」「県外にアピールしたい」「信頼を回復したい」「品質の安定に努め、より良い製品造りを目指したい」等々いろいろありました。一様にどのコメントにも商品に対する熱い思いが感じとれたのはとても印象深かった。

作り手の熱い思いがこもった「モンドセレクション」受賞食品、是非一度お試しあれ。

(text by 小)


2007-07-23 14:45  nice!(0)  トラックバック(0) 
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お菓子を食べて健康に?野菜スイーツって何だ? [食べる]

健康や体重は気になる。でも甘い物は食べたい。そうした女性の願望をかなえる「野菜スイーツ」なるものがブームとなりつつある。

野菜スイーツとはその名の通り、野菜を素材としたお菓子のことだ。ニンジンやカボチャなどスイーツにありそうな野菜だけでなく、ゴボウや枝豆にトマトなど、幅広い野菜を生かしているのが特長だ。野菜スイーツのブームがどのように広がりつつあるのか、G-Searchが提供する「新聞・雑誌記事横断検索」で調べてみた。

●有機野菜スイーツの専門店がオープン

その人気の火付け役となったのが、2006年4月に中目黒にオープンしたオーガニック野菜ケーキ専門店「パティスリー ポタジエ」だ。

店頭に並ぶケーキ達を見ると、

・アボガド
・お芋
・ニンジン
・とうもろこし
・かぼちゃ

など、ここまでは今までのケーキにもありそうなメニューだが、

・ジャガイモ
・ルッコラ
・トマト
・たまねぎ
・大根
・長ネギ
・白菜
・里芋
・枝豆

これは八百屋さんの定番商品。まさに野菜ケーキと言えよう。

オーナーはパティシエでもある柿沢安耶さん。レシピを考えるのも柿沢さん本人だ。

4年前、宇都宮市に栃木県内の農家から仕入れる有機野菜を使ったカフェレストラン「オーガニックベジカフェ・イヌイ」を開店。野菜のデザートが評判となり、専門店の出店に踏み切った。

「美味しさと、食の安全や健康も追求した四季折々の野菜スイーツを提供したい」との思いから、この店を開店とたという。

野菜スイーツだけに野菜にもこだわりがある。

利用する野菜は生産者から直接仕入れた有機野菜。農薬、科学肥料を一切使わず作られた野菜には「お客さんには畑を紹介して、生産の現場を見てもらっています」というほど自信を持っている。

そのほかの原料もできる限り、国産小麦、砂糖大根から作るテンサイ糖、抗生物質を使用しない自然卵などを使い、食の安全・安心の観点から食材を厳選。自慢の野菜を生かすため、野菜を加工しすぎないのがモットーという。

●北海道産野菜に注目が!

この野菜スイーツブームで活気付くのが北海道だ。

北海道産野菜では、スイーツの素材となるものはこれまで道外産のサツマイモなどに限られていたが、道内のパティシエが「そのおいしさをスイーツに生かしたい」と道産野菜に注目。

全国でもトップクラスの品質を誇るマメやジャガイモ、トマトなど、北海道産野菜を使った野菜スイーツが相次いで誕生し、全国で人気を集めているのだ。

千歳市の菓子メーカーもりもとの「太陽いっぱいの真っ赤なゼリー」は、道産野菜スイーツの代表格。地元農園のトマトを使ったゼリーなのだが、テレビ番組や雑誌で次々と紹介されて以来、注文が殺到し、五月いっぱい通信販売を休止せざるを得なくなったという。

「新鮮で質がいい」という道産野菜のイメージの良さに加え、気に入った食品は遠くからでも取り寄せたいという「お取り寄せ」ブームや、健康志向も追い風になっている。

この他にも北海道野菜を使ったスイーツの人気商品は数多い。

札幌市の「わらく堂」では、道産カボチャを使ったケーキ「スイートオーケストラ」を販売。洋菓子店「キャセロール」ではジャガイモやアスパラを使ったケーキやブランマンジェなど六種類のスイーツを販売。通信販売の注文が半年足らずで注文が5倍に増えたという。

道内の各社では野菜を使った新たな商品の開発も進めており、「太陽いっぱいの真っ赤なゼリー」のもりもとでは、枝豆などを使った新製品を発売する予定だ。

道食品政策課は「北海道の野菜の品質の高さを生かす動きは拡大しており、今後は菓子類だけでなく、さまざまな分野に拡大するのでは」とみている。

これからも健康志向に敏感な女性たちの関心を集める意外な野菜食品が登場するかもしれない。楽しみである。

(text by や)


2007-06-11 10:57  nice!(0)  トラックバック(1) 
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「速弁」で楽しい旅を [食べる]

駅で売っている弁当は「駅弁」。空港で売っている弁当は「空弁(そらべん)」。では「速弁(はやべん)」はどこで売っている弁当だろうか。さっそく、G-Searchの新聞・雑誌記事横断検索を使い調べてみた。

●「速弁」って何?

「はやべん」と聞いて、多くの人が高校時代に授業中にこっそり食べた弁当を思い出したことだろう。
でも、それは「早弁」。
「速弁」とは「高速道路」で売っている弁当である。
数年前からブームになっている「空弁」に続けと、昨年11月から東名高速道路などで販売が開始され好評だそうだ。

●高級志向で女性から支持

東名高速道路・上郷サービスエリアで販売されている速弁の価格は1680円と2100円。駅弁や空弁と比べると若干高めだ。
それでも、毎日のように予約の申し込みがあり、1日限定30食の弁当は2時間ほどで売り切れるという。

北陸自動車道・南条サービスエリアでは福井産の食材を使った高級弁当が人気だ。
カニづくしの3000円の弁当、サトイモや甘エビが入った2500円の2種類の弁当が1日60食限定で販売され連日完売だという。

速弁のコンセプトは「中日本のごちそう~いい旅に、いいお弁当~」。地元の老舗料亭などが協力し旬の素材と地元の味にこだわったという。また、旅行中の財布は女性が握っていると考え、女性をターゲットに繊細なイメージにしたという。

その思惑は見事当たり、中高年の女性や夫婦が購入することが多く、わざわざ弁当を買いに来る人もいるそうだ。

●民営化が生んだ高級弁当

速弁を販売するのは旧日本道路公団から民営化した中日本高速道路である。同社は「チャレンジ5」と称した5ヵ年計画を策定し、高速料金収入以外の事業収益の拡大に取り組んでいる。しかしイベント開催などで集客を図ったものの、なかなか成果が出ないのが現状だそうだ。

また、新事業としてインターネットによる物販や旅行仲介事業への参入を見込んでいるようだが、実現にはまだ時間がかかりそうだ。そこで、サービスエリア独自の弁当「速弁」の販売を開始し、売上拡大を図るという。

●好調「速弁」、新幹線と対決

速弁は昨年11月から3ヶ所で8種類の弁当を販売してきたが、春の行楽シーズンを前に中日本高速道路は新たな弁当を発表した。今月21日からは販売拠点を7ヶ所増やし、14種類の弁当を追加した。

これに黙っていられないのは乗り物弁当の元祖とも言うべき駅弁。ジェイアール東海パッセンジャーズが東海道新幹線で今月1日から幕の内弁当を販売、好評だという。

ぜいたくな速弁に対して、ジェイアールはヘルシーで勝負。野菜をふんだんに使い、合成着色料は一切使用していないという。基準をクリアした弁当に「健康弁当宣言」のマークをつけ販売しているそうだ。

おいしい弁当があれば、旅の楽しみは倍増する。今年の春は弁当片手に出かけてみてはいかがだろうか。

(text by 九)


2007-03-26 14:48  nice!(0)  トラックバック(0) 
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日本の食卓からマグロが消える!? [食べる]

日本人の好物と言えば「寿司」や「刺身」が挙げられる。中でもマグロには目が無いという人が多いのではないだろうか?
しかし、最近ではマグロの値段が高騰しており、このままでは日本の食卓からマグロが消えるのでは?とまで言われている。
年末に向けてマグロの需要が高まる中、これは日本の食卓にとっての一大事である。
一体これはどういう事なのか?その背景をG-Searchの「新聞・雑誌記事横断検索」で調べてみた。

●乱獲問題

昨年のマグロの世界総漁獲量は200万トン強で、この内、約4分の1が日本で消費されている。マグロは一般にはえなわ漁で捕獲されるが、国内の遠洋漁業だけでは需要をまかないきれず、日本は世界各国から冷凍マグロを大量に輸入している。

しかし、圧倒的な日本の需要が世界中でマグロの乱獲を引き起こし、国際的な資源保護が叫ばれているのである。そんな中、日本はマグロの最大消費国として矢面に立たされているのだ。

●高級魚の値上げ事情

食用マグロは大きく5種類に分類される。脂ののった「トロ」の部分が多く、すし屋や料亭などで使われる「クロマグロ」や「ミナミマグロ」に対し、「メバチ」、「キハダ」、「ビンナガ」の3種類は赤身が多く大衆的とされる。

このほど、マグロ資源を管理する「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」が、クロマグロの漁獲枠削減を決めた。地中海を含む東大西洋での漁獲量を、今の3万2千トンから2010年に2万5500トンへと段階的に減らすことになったのだ。

クロマグロは本マグロとも呼ばれ、特に日本人はクロマグロからとれる最高級のトロを好んで食べている。地中海沿岸では近年、若いクロマグロを捕っていけすで太らせる「蓄養」が盛んで、その多くが日本へ輸出されている。

先月、別の会議では、同じく寿司ネタや刺身になるミナミマグロの日本の漁獲割当量を半減することが決まった。今回の大幅削減は、日本が2005年に漁獲枠よりも過剰に漁獲していたことによる懲罰的な意味をも持っているから止むを得ない。

●一般魚も高級魚に追随

漁獲がもっとも多く、一般的な赤身として日本人が食べるすしネタの大半を占めるメバチマグロなどについても、状況は同じだ。一般魚を中心に日本の年間マグロ消費量の20%以上を供給している台湾では、乱獲による国際社会から批判が集中した結果、大幅な減船に応じた。そのことでメバチマグロなどの日本へ入る量が減少し、マグロ全体の価格は値上がり傾向にある。

さらに、来月には中西部太平洋のメバチマグロなどの漁獲量について話し合いが行われ、全体の漁獲量が削減される公算が高くなっている。

また、世界的な原油価格高騰によりマグロ漁船の運行費上昇もマグロ価格の上昇に拍車をかけているのだ。

●世界的な需要の拡大

さらに、世界の食生活の変化がマグロの高騰に影響しているという。欧米では「sushi」ブームや健康志向に加えて、牛海綿状脳症(BSE)や鳥インフルエンザによる食肉不安から魚食ブームが起き、マグロなどの需要が増えている。

また、世界の魚の流通を変える勢いなのが、経済発展の著しい中国の存在である。中国ではもともと魚を生で食べる習慣はなかった。しかし、数年前から健康食として日本食ブームが起き、上海など沿岸部の富裕層を中心に刺身やすしを好んで食べるようになっているという。
さらに、最近では、内陸部の人まで大量に海魚を食べるようになり、消費量が爆発的に増え始めているというのだ。
これにより、中国は急速に魚の輸出国から消費国へ構造転換しようとしている。

このような世界的な魚食ブームでマグロ需要は確実に増え続けており、値上がりがマグロ全体に広がれば、将来はマグロが一般家庭の食卓から遠ざかる可能性もあるのだ。

●生態系への懸念

しかし、マグロが食卓から遠ざかる以上に大きな問題が引き起こされている。

カナダのダルハウジー大学などの研究チームの解析結果によると、太平洋中部の広い海域で、過去50年間に、マグロやカジキ、サメなど食物連鎖の上位にある大型魚の数が大幅に減り、平均体重も半分以下になっているという。逆に、食物連鎖の下位にある小型魚の数が増え、海の生態系はこの間に激変した。漁業による乱獲が海の生態系に影響を与えているというのだ。

もしこのまま日本を始めとする世界各国、そして13億の人口を持つ中国がマグロ消費に突き進めばマグロは減るどころではなく、シーラカンスのように絶滅の危機に立たされることも有り得るという。マグロの乱獲は、確実に海の生態系を激変させる。そうなる前に、私たち人間は資源を限られたものとして、大事に使っていきたいものだ。

(text by 呉)


2006-12-04 16:18  nice!(0)  トラックバック(1) 
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これも華流?アジア映画とマンゴー人気 [食べる]

2月の旬の話題(イケメンの宝庫、台湾。「華流」は「韓流」を追い越すか?!)でも紹介したとおり、ジリジリと人気を高めつつある“華流”だが、イケメン以外でも盛り上がっている。
アジア映画とマンゴーだ。

イケメンに負けず人気上昇中のアジア映画とマンゴーについて、G-Searchの新聞記事・雑誌横断検索で調べてみた。

●増えるアジア合作映画

今年に入りいくつかのアジアの「合作映画」が公開されている。
真田広之や韓国のチャン・ドンゴンが出演した中国映画「PROMISE」、ジェット・リーと中村獅童が共演した「SPIRIT」。6月からは、日本・香港・タイ合作のホラー映画「BLACK NIGHT」が劇場公開されている。

また、本木雅弘が主演する日中合作映画「夜の上海」も来夏公開予定と5月に発表され、アジアンスター共演の映画が目白押しとなっている。

アジア映画をあまり観ない人も、まずは合作映画からアジア映画を体験してみるのはどうだろう?

●アジア映画だけを上映する映画館?

いや、合作映画よりもコテコテのアジア映画を!という方に朗報。
今年都内にユニークな映画館が誕生した。

シネマート六本木は、4つのスクリーンを持つアジア映画専門の映画館。
日本、韓国、中国などの作品を上映している。
6月3日から7月14日までは、『華流シネマウィーク2006』を開催中。台湾の人気グループF4メンバー映画のアンコール上映や、レスリー・チャン生誕50周年を記念した作品上映もある。

そして、日本未公開作品もこれから劇場公開を控えている。
2005年の東京国際映画祭では「アジアの風」としてアジア映画が数多く上映された。
そこで上映された映画が2006年夏からいくつか公開される。上映予定作品は要チェックだ。

映画をめぐる状況は厳しいが、シネマート六本木のように新作に限らず企画上映し、個性を出す映画館が増えていくのかもしれない。兎にも角にもアジア映画ファンにはたまらない映画館の登場だ。

アジア映画を観て、その場所の空気、そして生活を感じたら、次はやはり“食”。
日本にいながらアジアの味を賞味したい。

●アジア旅行で食べた味が忘れられない・・・

アジアの食べ物で人気といえば、マンゴー。
近年女性を中心にアジア各国への旅行が人気で、旅先で食べたあの味が忘れられない人も多いと思う。
そのようなこともあり、夏限定商品に使われる機会が増えてきたマンゴーだが、今年は特に素材重視の傾向にあるようだ。

マンゴーそのものを冷凍したデザートや、日本ではあまり見られなかったマンゴー100%果汁のジュースも発売されている。
さらにスーパーに行けば、果物売り場には数種類の輸入マンゴーに加え、高級な国産品種が並ぶところを見ると、かなりの人気がうかがえる。

特に宮崎特産の完熟マンゴー「太陽のタマゴ」(地域ブランド)は、自然に落ちるまで木で完熟させるため非常に糖度が高く、贈答品としても人気だ。
価格も1個5000円(!)と高めなので、庶民の味とは言いづらいが、産地ごとの味の違いを試してみるのもおもしろい。

●次のヒット商品は?

アジアデザートの宝庫、香港には、日本ではあまり食することのできないデザートがいろいろとある。その1つが「楊枝甘露」だ。

香港では近年人気で、ペットボトルに入ってコンビニなどでも販売されている。
どんなデザートか説明すると、細かくほぐしたザボンとマンゴーピューレ、タピオカ、ココナッツミルクを合わせたスープのようになっていて、さっぱりした味だ。

その楊枝甘露が6月26日に永谷園から発売された。
日本向けに若干アレンジされているが、新たなアジアデザートの日本上陸だ。

次のブームは何か?
各メーカーの新商品発売動向を新聞記事データベースでチェックするのもおもしろい。

あと2週間ほどで梅雨明け。
今年の夏はマンゴージュースや楊枝甘露を片手にアジア映画を観てみよう。
仕事に疲れた週末も、アジア旅行に行ったつもりでリフレッシュできるかも?

(text by ふ)


2006-07-03 10:22  nice!(0)  トラックバック(0) 
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「UDON」効果でブームの再来なるか?讃岐うどん [食べる]

今年も、南フランスの高級リゾート地・カンヌを舞台に、国際映画祭としては世界最大規模を誇る「第59回カンヌ国際国際映画祭」が開催されている。(5月17日~28日)
毎年、映画祭期間中は、人口約7万人のこの小さな街に、世界中から約20万人もの映画関係者やファンが訪れ、映画一色のお祭りムードに包まれる。

そんな中、映画祭近くのパーティー会場で、讃岐うどんを題材にした映画「UDON」の世界公開を目指し、讃岐うどんが振舞われたという。
とは言っても「UDON」がカンヌ国際映画祭に出品されているわけではなく、製作を手がけるフジテレビが、映画祭に集まる映画関係者に「UDON」や同局製作のラインアップをアピールするために行ったプロモーションというから面白い。

そんな世界進出を目前に控えた讃岐うどんとそのブームについて、G-Searchの新聞記事・雑誌横断検索で調べてみた。

●香川県民にはお馴染み

讃岐うどんとはコシの強さ、ツルツルとなめらかな口当たりを特徴とする香川県(旧讃岐国)特産のうどんで、香川県民には手軽な食事として昔から親しまれている。
香川県民の一人当たりのうどん消費量は年間188玉で、ダントツの日本一だそうだ。街を歩いていても蕎麦屋やラーメン屋はあまり見かけない。

●客がネギを取って来て、切る?

県内には約800店もの「うどん店」があり、店の形態は一般店、セルフ(サービス)店、製麺所の三つに分類される。一般店は普通の飲食店の形式であるが、セルフ店、製麺所は少し変わっている。

セルフ店は、一杯100円程度からという安さと手軽さを特徴とし、客自身が何らかの作業をしてうどんを作り上げる。
一般的なセルフ店では、カウンターでうどんの大きさを告げ、鉢に入った麺を受け取り、客が自ら湯がき、天ぷらなどの具材や薬味をのせ、蛇口付きのタンクから出汁をかけ、代金を払い、食後は返却口に返すというもの。
セルフ店の中には、店の畑からネギを取って来る作業や、薬味を切る作業までを客任せにする店もあるというから、その徹底した人件費削減には驚かされる。

一方、製麺所もセルフサービスの形態をとっているが、その名の通り、元々はうどん玉売りを生業としていたが、打ちたてを食べたいという客の要望により片隅で食べさせたのが始まりと言われている。
言わば片手間の商売であるため、立地、店構えが独特で、看板も無いため見つけ難く、営業時間もうどん玉がなくなり次第終了というのが普通だ。

●ブームはここから始まった

讃岐うどんは、香川県内では江戸時代から盛んに食べられてきたのだが、最近のブームは香川県のタウン情報誌「TJかがわ」での連載記事が火付け役となり、連載をまとめた「恐るべきさぬきうどん」は爆発的なヒットとなった。

香川県内ではブーム以降、土、日曜日になると、県外の人たちが車で来て、ガイドブックを片手に、お目当ての店を五軒、六軒とはしごする光景が普通となった。
讃岐うどんに馴染みの薄い県外からやって来た人にとって、讃岐うどんは美味しいだけではなく、セルフサービスで自ら作る、また、看板も無く何時まで空いているか分からない製麺所を探す、というエンターテインメント性が受けているようだ。

讃岐うどんブームにより、旅行会社は讃岐うどんツアーを企画し、今や讃岐うどんは香川県の重要な観光資源となっただけでなく、最近では首都圏や関西に讃岐うどんのチェーン店が出現し、香川に行かなくても本場の讃岐うどんを楽しめるようになった。

一杯100円の讃岐うどんがもたらしたブームも、一時に比べて下火となっていたが、今度は映画「UDON」によって世界的な讃岐うどんブームが起こるかもしれない。

(text by 呉)


2006-05-29 09:09  nice!(0)  トラックバック(0) 
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誰が寿司を回したのか?回転寿司の始まりを追う [食べる]


今日はお寿司にしよう。と思い立ち、見回すと殆どの寿司屋が回転寿司だ。今や寿司屋の中でも多数派となったかに見える回転寿司だが、そもそもなぜ寿司を回転させる必要があったのだろうか?そしていつ、誰が考えたのだろうか?

新聞記事横断検索を使い「回転寿司の誕生」について調べると、意外にも古い歴史を持つことが判った。

●1958年にオープン・大阪万博でブレイク

新聞記事によると、回転寿司の元祖は1958年に東大阪市の近鉄・布施駅前で"回転"した「廻る元禄寿司」だという。なんと48年も前に創業しており、開店当時に使われたキャッチコピーは旧ソ連が成功した人類初の人工衛星打ち上げ(1年間の出来事だった)にちなみ"人工衛星廻る寿司"だ。この、ちょっと今ではノリが分かりにくいコピーからも古さが伝わる。

元禄寿司に始まる回転寿司は、大阪人のせっかちな気性に合ったのか話題を集め、1967年にはフランチャイズ1号店となる仙台店がオープン。それを皮切りに全国展開が進んでいった。

とはいえ、まだまだブレイクまでには到らない回転寿司だったが、なんと1970年に開催された「大阪万国博覧会」に出店する事となり、一躍脚光を集めた。

大阪万博といえば近未来のイメージとして「電気自動車」「無人モノレール」「動く歩道」といった、オートマチック化された未来の日常が呼び物となっていた。その大阪万博の西口に、回転寿司がオープンしたのだ。

回転寿司は近未来の寿司システムとして万博の未来志向に見事にマッチ。大きた話題を呼び全国から問い合わせが殺到する事となり、一挙に全国的な認知を集めたのだった。

その当時、新潟に出店していた回転寿司屋に関する記事を読むと、それまで客の入りが悪く店の存続も危ぶまれたものが、大阪万博以降は行列ができるほど人が集まったとある。万博効果は絶大だったようだ。

さらに元禄寿司は、大阪万博の4年後の1974年に、ニューヨークへの海外第1号店を出し、これが回転寿司のイメージを高め、その後、元禄寿司が持つ回転寿司の特許が切れたことから、一挙に全国各地への出店が広がったのだ。

●そもそも回転寿司を考案したのは?

では回転寿司は誰が考えたのだろうか?

記事によると、回転寿司の元となるアイデアは終戦直後の1948年に白石義明さんによって考案された。白石さんは当時、中小企業の工場がひしめきあう東大阪で立ち食い寿司屋を開いていた。

それまでの寿司屋といえば高級料理の代名詞で、店には値札の無いメニューが並び「いくら支払えばいいのだろう?お金足りるかな?」と、非常にドキドキ感のある庶民には近寄りがたい雰囲気があった。

しかし白石さんは地元の工場で働くお客さん達に喜んで貰おうと、一皿20円の立ち食い寿司屋をオープン。
一皿20円という明朗会計と低価格による安心感がある立ち食い寿司屋は、高級品が安く食べられるとあって人気を集めたが、今度は寿司職人の確保が難しくなり機械による省力化を迫られていたのだ。

そうしたジレンマを抱える中、ビール工場の見学をした白石さんは、そこで見たベルトコンベヤーの上をビンが流れ、次々とビールが注がれる様子から、寿司屋でそのコンベヤアーが使えないかと思いつき、それから10年の歳月をかけて回転寿司の基礎となる「コンベヤー旋回食事台」を開発したのだ。

この旋回食事台というアイデアにより、

・店に入れるお客さんの数を増やせる
・お客さんは入店して直ぐに、好きなペースで食事ができる
・お客さんの出入りも早い
・寿司職人の数を減らすことができる

と、それまで寿司屋が持つイメージを一気に変えファストフード業界の革命的な商品と呼ばれるまでに成長したのだった。

このように昔から当たり前のように存在する回転寿司だが、もし白石さんがこれを発明しなかったら世界には回転寿司が存在しなかったかもしれない。そう考えると面白いし、別の革命的なアイデアが無いものか、歩きながらでも考えてみると面白いかもしれない。

●おまけ:回転寿司のトリビア

ついでに新聞記事から見つけた回転寿司に関するトリビアを紹介。

・回転ずしのスピード「日本最速”は分速8メートル」

西日本新聞の「無敵の調査隊」という記事によると、標準の回転速度が分速4.8メートルのところ、佐賀県にある「すし大臣」では分速8メートルのスビードで回転するという。なんと標準の倍近いスピードだ。自称「日本一早い」そうだ。(注:2000年8月の記事よります)

・11月22日は「回転寿司の日」

一般的には「いい夫婦の日」ではないかと思うが、回転寿司の日でもある。ちなみにこれは回転寿司を考案した白石さんの誕生日にちなみ元禄寿司が制定したという。日本記念日協会の公認も得ている。

(text by や)



2006-02-06 16:43  nice!(0)  トラックバック(0) 
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