幼稚園集客の切り札?!キャラクターバス [乗り物]
厚生労働省が年金法案成立後に発表した合計特殊出生率は史上最低の数値となる「1.29%」だった。こうした高齢化、少子化の影響を受けて幼稚園の入園者も減少。各幼稚園では入園者集めに工夫を求められている。 そうした中、園児達だけでなく幼稚園経営者達の注目を集めているのが動物やテレビキャラクターの姿をしたキャラクターバスだ。 キャラクターバスはガラス繊維と樹脂を混合させた特殊プラスチックを車体に取り付け造詣を施したバスだ。 完全な受注生産なうえに特殊な造詣が必要となることや、場合によってはキャラクターライセンスが必要となり値段はかなり高額。 それでもキャラクターバスが大人気だという。それは何故だろうか? ●キャラクターバスの導入効果 キャラクターバスを新聞記事検索すると、各地域での導入例が見つかる。 キャラクターバスを導入した幼稚園によると、乗車時にはキャラクターバスに人気が集中。これに乗る園児と他のバスに乗る園児とを公平に分けるのが大変だという。実際、キャラクターバスに乗車した子供達の目は生き生きとしており「ずっと乗っていたい」といった声も聞こえ好評だ。 また、周辺の住民にも「私も乗りたい」と評判が良い他、目を引くキャラクターバスが通ると対向車が速度を落とす事から事故防止に役立つなど、町の雰囲気を良くする効果もあるようだ。 さて、こうしたキャラクターバスだが実際に入園に繋がっているのだろうか? 新聞・雑誌記事横断検索で調べた記事から、特に入園効果について書かれている記事を探してみた。すると、福岡県でSL型バスを導入した幼稚園の紹介がされているのを見つける事ができた。 それによると、一時期定員割れをしていたその幼稚園では、SLバスを導入した年から「SLバスに乗りたい」として入園してくるケースが増えたという。 また他の幼稚園例では、バス導入により20人も入園者が増えた。と、具体的な例も紹介されており効果は確かにあるようだ。 確かに高価なキャラクターバスであるが、仮に私立の幼稚園で20名の園児が増えたとすれば入園費を約5万円、月の園費を約3万円として考えて、年間で約820万円の増収となる。 十分に元が取れるのだ。 ●光源舎オートプロダクツのバス製作 このような子供が大喜びするキャラクターバスを製作しているのは、全国では「チャイルド社」「日産車体」「光源舎オートプロダクツ」が大手。 光源舎では1986年前後から犬やネコ、汽車の形をしたバスを製作し始めた。もとから移動販売車両など特殊車両の製造を手がけていたのだが、あるとき1トントラックを改造したSL型トラックが幼稚園関係者の目にとまり、幼稚園向けのキャラクターバス製造を開始。これが大ヒットしたわけだ。 ●キャラクターバス、中国市場へ 「常に新しいアイデアを提案し、同業他社の先を行く」とする中島社長のモットーにあるように、同社のキャラクターバスに対する取り組みは積極的だ。 2002年1月には中国の上海で行われた国際見本市にネコ型バスを出展。これが注目を集め、中国の自動車会社からの多数の引き合いを受け中国進出に踏み切った。 新聞記事には上海の国際見本市でのキャラクターバスの人気振りを紹介しているのだが、記事によると中国ではキャラクターバスを驚いたことにファミリーカーとして販売するという。 出展したのは大人2人、幼児12人が乗れるワゴンタイプの小型キャラクターバスだったのだが、これを見た中国の自動車販売会社からは「珍しいデザインはステータス。ファミリーカーとして使いたい」して、販売や製造ライセンスについての引き合いがあったというのだ。 国内需要2万台と推定される幼稚園送迎バス。 |
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