モノレールはどこに向かって走るのか [乗り物]
さて「旬の話題」としては、とてもおいしい話題がありました。みなさんご存じWorld Baseball Classic「以下WBC」ですね。しかし優勝した後の連日連夜のテレビ報道にもうお腹いっぱい(もうすぐプロ野球開幕なのでテレビ局としてはそりゃ盛り上げとかないとね。ここんとこサッパリだったから...)。 やはりここはモノレールについて取り上げてみましょう。 ●モノレールの走る数って? みなさんは日本にどれくらいのモノレールが走っているか知ってますか。実に11路線もあるのです。「えっ、たったそれだけ?」 何を仰います!日本は世界一のモノレール大国なんですよ。2位のアメリカでさえ、たった6路線なのでその充実ぶりにびっくりしてください。しかも営業キロ数でも、大阪モノレールが21.2Kmで、他を圧倒して世界一なのです。 ●意外と古いモノレールの歴史 モノレールの歴史は結構古く、1821年(江戸時代!)にはヘンリー・ロビンソン・パルマーという方がモノレールの特許を申請しています(その構想が>「日本モノレール協会」のホームページ(http://www.nihon-monorail.or.jp/)のトップに載ってます)。 そして、1880年にはアメリカで旅客用での利用が始まっています。 日本でも戦前からモノレールの計画があったようです。しかし資金面や安全性の面で実現していません。 実際に作られたのは1951年、なんと豊島園の中です。 その後も上野動物園など遊園地内のアトラクションの一つとして作られたモノレールが次々作られていきます。その次の段階として遊園地と最寄り駅を結ぶモノレールが作られて、徐々に交通手段となっていきます。 そしてついに都市交通としてのモノレールが登場します。1964年9月、まさに東京オリンピック開催1ヶ月前に、東京モノレールが開業します。 さぁモノレール時代の幕開けかというとそうでもなく、廃線になったモノレールも多くあります。 モノレールには輸送力が小さい割にコストが高いという欠点もあり、その未来が心配です。個人的にはなくなって欲しくないな、なんといっても絶対に脱線しない超安全な乗り物ですから。 最後に、WBC(ムリヤリ使う)はよかったね。サッカーもガンバレ! ※おまけ:なんと手作りモノレール! (text by ほ) |
「スーパーカブ」シリーズ、世界生産累計5000万台を達成 [乗り物]
ホンダの二輪車「スーパーカブ」シリーズの世界生産累計が、2005年12月末で5,000万台を達成した。1958年に、当時の公務員の初任給の5倍に相当する5万5千円で発売以来、47年での達成。エンジン付きの乗り物では世界で最も生産台数が多いという。 ここで、エンジン付き乗り物という微妙な表現が気になったので、新聞記事横断検索を調べてみた。 ●エンジン付きの乗り物では世界初の“偉業” 新聞記事によると、四輪車の単一車種では、「マイカー元年」と呼ばれた1966年に登場したトヨタの「カローラ」が3000万台を突破して1位のようだ。2位はフォルクスワーゲンの小型乗用車「ゴルフ」で2300万台超。二輪の単一車種では、カブ以外の記事は特に見当たらない。確かに、四輪も含めるエンジン付き乗り物では「スーパーカブ」がダントツのようだ。では、5000万という数字は、他の製品と比べたら、どんな感じだろうか。 ・シャープのファクス ・東芝の冷蔵庫 なかなか5000万を超えるものがない、さらに調べてみると、ようやくあった。 ・シャープの電子レンジ もう既に、乗り物でも単一シリーズも関係なくなってきたので、さらに調べてみると、すごそうなものがあった。松下電池工業の乾電池だ。 ●カブってなんなの? カブの名前の語源は英語の Cub で、意味は「働き者」「野獣の子」など。 今では、日本や東南アジアなど世界13カ国で生産し160カ国以上で販売され、9割以上は海外生産という。 国内では新聞配達などの商業用、海外では東南アジアを中心に、庶民の生活の足として利用されており、低燃費、乗り降りや運転のしやすさが国内海外を問わない息の長い人気を支えている。 そもそもカブは、ホンダ創業者の故本田宗一郎氏が出した「そば屋の出前持ちが片手で運転できるように」という条件のもと、乗り降りのしやすさや使い勝手の良さを追求して開発したバイクだ。 現在まで数次に至る改良が加えられているが、全面改良はされずに初代モデル「スーパーカブC100」の基本設計は、独自のスタイルは現在も受け継がれている。ひとつのコンセプトの追求が、長い年月を経てた今でも世界的に浸透し続けているのは圧巻だ。 (text by こ) |
高速道路の二人乗り解禁 [乗り物]
今年4月1日、ライダーの長年の夢だった高速道路でのバイクの二人乗りがついに解禁されました。ここに至るのには、実は長い時間がかかっています。 名神高速ができた頃(1963年)にはバイクの2人乗りは禁止されていませんでした。ところが1964年に発生したバイクの人身事故のうち、半数が2人乗りだったということを踏まえて、1965年に高速道路での2人乗りが禁止されてしまいました。 同じ頃、暴走族の祖先ともいうべき「カミナリ族」が出現し始めます。これは現在の「暴走族」の祖先ともいうべき集団で、「バイク=悪」といった世間のイメージを確立してしまいました。 高速道路における2輪車の冷遇はそのことが影響していたのかもしれません 例えば、 うがった見方をすると、高速道路にバイクは来て欲しくないんじゃないか、という気さえします。 ●大型スクーターブーム 先日、とある国道で信号待ちをしていたら、10台前後のバイクに囲まれてしまいました。驚いたことにみんな「ビッグスクーター」に乗っていました。別に仲間ってわけじゃなく、それぞれの行き先のある人たちです。 その特長は、 こんな楽なバイクに乗るのはオッサンばっかりだろうと思っていたら、実はビッグスクーターは若者に人気があるのです。専門雑誌もいくつか出ているくらいです。 この流れにメーカーも行政も黙っていません。 日本の各バイクメーカーは色んなビッグスクーター(250cc以上)を市場に投入。 行政は6月1日から「AT限定二輪免許(いわゆる大型スクーター免許)」を新設。 ●再び権利を取り上げられないために さて、ここまでライダー目線で書いてきましたが、ドライバーにとってはどうなんでしょう? 自分の車の近くをバイクに走られるのは、あんまり気持ちのいいものではないです。 機動性に優れるバイクは、自動車の目の前を車間距離も空けずに横切ったり、細い車幅にモノをいわせ、車と車の間もスイスイ走っていきます。 こんなことは、ライダーにとっては何でもないことなんですが、車幅感覚がつかみにくい車にとってはとても怖いことです。バイクが嫌われるのは、こういうところにもあるのです。 時を同じくして始まった「高速道路二人乗り解禁」、「AT限定二輪免許新設」、「バイク用ETC(秋頃予定らしい)」のため、今後、高速道路での二人乗りがさらに増えることが予想されますが、ライダーは後ろ乗せた人のことと、周りを走る四輪車にも気を遣い、二度と勝ち取った権利を取り上げられないようしなければなりません。
(text by ほ) |
【ポケモンジェット】で売上UP!その人気を追う! [乗り物]
いよいよ夏休みが到来した。 ポケモンジェットは大人気アニメポケットモンスターに登場するキャラクターのピカチューをはじめとした主要キャラクターを機体にペインティングした飛行機。 楽しい外見はもちろん機内の装飾もポケモン一色となっており、カーテンや座席のカバー、スチュワーデスのエプロンまでもがポケモンで統一されている。 さらに搭乗者にはピカチュウジャンボでしか入手できないポケモングッズがプレゼントされ、機内限定公開とされるオリジナル短編が上映されるなど、ポケモンが大好きな子供にはたまらない企画となっている。 ポケモンジェットは1999年の劇場版ポケットモンスターが上映された際、映画の製作サイドより「飛行機に描いたら」という案が持ち上がり実現した。就航当時から他の便にくらべ30%~40%増しの乗車率でほぼ連日満員。当日券が取れない程だった。 この人気を受けてポケモンジェットは2代目、3代目と増えてゆき、現在では国内線としては3機、国際線に1機が就航しておりそれぞれ大人気だ。 ●ポケモンジェットの売上効果 ポケモンジェットのペインティングには22色、約500リットルの塗料を使い塗装に約2週間かかる。その塗り替え費用はなんと約1億円。 予算と時間を使ったこのプロモーション、乗客の増加といった効果は見られるが具体的にどの程度の規模となったのだろうか? 新聞・雑誌記事横断検索を利用して調べてみた。 記事データベースでキーワードを 「(ポケモンジェット OR ピカチュウジャンボ) AND 効果」 として検索。今回の塗り替え企画による効果について触れられた記事を探してみた。 するとポケモンジェットの売上効果に関する記事が見つかった。 また2004年になってからは、6月~12月の半年間で10億円の増収を見込んでおり、効果絶大と言える。 では、他社でこうしたペイント飛行機は運行していないのだろうか? 今度はキーワードを 「(広告 OR キャンペーン)機体 AND 飛行機 AND ペイント」 として検索。するとポケモンの例をはじめとした各種の飛行機へのペイントに関する記事が見つかった。 それによると機体へのキャラクターペイントは上で紹介した「ポケモンジェット」の他、ロックグループGLAYを描いた「GLAY JUMBO」、メジャーリーガー松井秀喜の巨大な顔が特徴的な「松井ジャンボ」などがある。 キャラクター以外では日航がリゾート便に「ハイビスカス」を描く他、日本エアシステムは黒沢明監督がデザインした「虹」をペイントした便を運行している。 こうして見るとペイントの種類はまだまだ少なく今後の展開が気になる所だが、日航、全日空ともに「未知な部分が多い」と慎重な姿勢を示している。 とはいえ機体数が約500機といわれる日本の大型航空機業界。 |
幼稚園集客の切り札?!キャラクターバス [乗り物]
厚生労働省が年金法案成立後に発表した合計特殊出生率は史上最低の数値となる「1.29%」だった。こうした高齢化、少子化の影響を受けて幼稚園の入園者も減少。各幼稚園では入園者集めに工夫を求められている。 そうした中、園児達だけでなく幼稚園経営者達の注目を集めているのが動物やテレビキャラクターの姿をしたキャラクターバスだ。 キャラクターバスはガラス繊維と樹脂を混合させた特殊プラスチックを車体に取り付け造詣を施したバスだ。 完全な受注生産なうえに特殊な造詣が必要となることや、場合によってはキャラクターライセンスが必要となり値段はかなり高額。 それでもキャラクターバスが大人気だという。それは何故だろうか? ●キャラクターバスの導入効果 キャラクターバスを新聞記事検索すると、各地域での導入例が見つかる。 キャラクターバスを導入した幼稚園によると、乗車時にはキャラクターバスに人気が集中。これに乗る園児と他のバスに乗る園児とを公平に分けるのが大変だという。実際、キャラクターバスに乗車した子供達の目は生き生きとしており「ずっと乗っていたい」といった声も聞こえ好評だ。 また、周辺の住民にも「私も乗りたい」と評判が良い他、目を引くキャラクターバスが通ると対向車が速度を落とす事から事故防止に役立つなど、町の雰囲気を良くする効果もあるようだ。 さて、こうしたキャラクターバスだが実際に入園に繋がっているのだろうか? 新聞・雑誌記事横断検索で調べた記事から、特に入園効果について書かれている記事を探してみた。すると、福岡県でSL型バスを導入した幼稚園の紹介がされているのを見つける事ができた。 それによると、一時期定員割れをしていたその幼稚園では、SLバスを導入した年から「SLバスに乗りたい」として入園してくるケースが増えたという。 また他の幼稚園例では、バス導入により20人も入園者が増えた。と、具体的な例も紹介されており効果は確かにあるようだ。 確かに高価なキャラクターバスであるが、仮に私立の幼稚園で20名の園児が増えたとすれば入園費を約5万円、月の園費を約3万円として考えて、年間で約820万円の増収となる。 十分に元が取れるのだ。 ●光源舎オートプロダクツのバス製作 このような子供が大喜びするキャラクターバスを製作しているのは、全国では「チャイルド社」「日産車体」「光源舎オートプロダクツ」が大手。 光源舎では1986年前後から犬やネコ、汽車の形をしたバスを製作し始めた。もとから移動販売車両など特殊車両の製造を手がけていたのだが、あるとき1トントラックを改造したSL型トラックが幼稚園関係者の目にとまり、幼稚園向けのキャラクターバス製造を開始。これが大ヒットしたわけだ。 ●キャラクターバス、中国市場へ 「常に新しいアイデアを提案し、同業他社の先を行く」とする中島社長のモットーにあるように、同社のキャラクターバスに対する取り組みは積極的だ。 2002年1月には中国の上海で行われた国際見本市にネコ型バスを出展。これが注目を集め、中国の自動車会社からの多数の引き合いを受け中国進出に踏み切った。 新聞記事には上海の国際見本市でのキャラクターバスの人気振りを紹介しているのだが、記事によると中国ではキャラクターバスを驚いたことにファミリーカーとして販売するという。 出展したのは大人2人、幼児12人が乗れるワゴンタイプの小型キャラクターバスだったのだが、これを見た中国の自動車販売会社からは「珍しいデザインはステータス。ファミリーカーとして使いたい」して、販売や製造ライセンスについての引き合いがあったというのだ。 国内需要2万台と推定される幼稚園送迎バス。 |
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世紀の大発明セグウェイ。その後どうなっているの? [乗り物]
● セグウェイを走らせ書類送検 夢の乗り物「セグウェイ」で公道を走った人物が、道路交通法違反として書類送検された。 セグウェイとは、絶対に転倒することのない動力付き小型スクーター。 日本では自動二輪車に該当するため、公道で走行するにはライトや方向指示器、ナンバープレートの所得等が必要だ。今回は、それらが整っていなかったため違反となってしまった。 一時期は世界中から注目されていながらも普及が難しいセグウェイ。この乗り物にまつわる経緯を 新聞・雑誌記事横断検索 を用いて調べてみた。 ● 秘密のベールに包まれた「セグウェイ(ジンジャー)」 「ジンジャーというインターネットを越える世紀の発明がある」2001年の1月頃よりこんな噂がインターネットを中心に話題となった。その製品版となるのがセグウェイだ。 ジンジャー(セグウェイ)は米国の著名な発明家ディーン・ケーメン氏による発明。 当初ジンジャーは、「ケーメン氏がインターネットを越える発明をしたようだ」という噂だけが流れ、実体はまったく謎の存在であった。 こうした噂の先行に対し発明者のケーメン氏は沈黙を貫いた為、噂はさらにエスカレートすることとなる。 当時のジンジャーに対する熱狂ぶりを 新聞・雑誌記事横断検索 で調べると、ジンジャーの正体について次のような推測が記録されていた。 「宙を浮いて走る魔法の絨毯のような乗り物では」このように当時のジンジャーへ込められた過大な期待が伺える。 ● 「セグウェイ(ジンジャー)」発表後の反応を見る ジンジャーの製品版となるセグウェイの発表は2001年12月3日に行われた。 ケーメン氏自身がテレビでこれを披露したのだが、過度な期待を背負った発明品だっただけに発表時には「え?」といった反応も少なくなかった様子だ。 新聞・雑誌記事横断検索 で当時の反応を調べてみると、次のような冷静な見方が見られる。 「みんなが使うようになった時が本当に画期的」(ニューヨーク・タイムズ)また、市民による書きこみはさらにストレート。 「ただのおもちゃ」このように、正体が明らかになり急速に熱がさめていったようだ。 ● 日本版セグウェイ? こうしたセグウェイに関する記事を検索していると、これらに混じって面白い記事を発見した。なんとセグウェイの発表に反応する形で日本の発明家が画期的な乗り物を発表したというのだ。 その名も「ニンジャー」!自称世界一の発明家、ドクター中松氏の発明だ。 ニンジャーは小型のモーターがローラースケートの靴についたようなもの。セグウェイと同じく立っているだけで勝手に進む。 残念ながらニンジャーが商品化されたとう話しは聞いていないが、セグウェイがいかに当時の話題を集めていたかがここからもわかる。 ● セグウェイ特区構想 道路交通法の問題などもあり発売後も思うように普及しないセグウェイだが、試乗した人間の感想を見ると、ほとんどが肯定的な意見だ。 アメリカやパリでは試験的に利用がされている他、日本でも千葉ではセグウェイ特区を作りそこでの走行をみとめさせようとする動きもある。 簡単、安全、交通渋滞の緩和に役立ち、そのうえ環境にやさしいと将来の都市交通を一新する可能性を秘めるセグウェイ。 こうした特区設置を弾みとしてセグウェイが公道を走れる法整備が進む事を期待したい。 |