高速道路の二人乗り解禁 [乗り物]
今年4月1日、ライダーの長年の夢だった高速道路でのバイクの二人乗りがついに解禁されました。ここに至るのには、実は長い時間がかかっています。 名神高速ができた頃(1963年)にはバイクの2人乗りは禁止されていませんでした。ところが1964年に発生したバイクの人身事故のうち、半数が2人乗りだったということを踏まえて、1965年に高速道路での2人乗りが禁止されてしまいました。 同じ頃、暴走族の祖先ともいうべき「カミナリ族」が出現し始めます。これは現在の「暴走族」の祖先ともいうべき集団で、「バイク=悪」といった世間のイメージを確立してしまいました。 高速道路における2輪車の冷遇はそのことが影響していたのかもしれません 例えば、 うがった見方をすると、高速道路にバイクは来て欲しくないんじゃないか、という気さえします。 ●大型スクーターブーム 先日、とある国道で信号待ちをしていたら、10台前後のバイクに囲まれてしまいました。驚いたことにみんな「ビッグスクーター」に乗っていました。別に仲間ってわけじゃなく、それぞれの行き先のある人たちです。 その特長は、 こんな楽なバイクに乗るのはオッサンばっかりだろうと思っていたら、実はビッグスクーターは若者に人気があるのです。専門雑誌もいくつか出ているくらいです。 この流れにメーカーも行政も黙っていません。 日本の各バイクメーカーは色んなビッグスクーター(250cc以上)を市場に投入。 行政は6月1日から「AT限定二輪免許(いわゆる大型スクーター免許)」を新設。 ●再び権利を取り上げられないために さて、ここまでライダー目線で書いてきましたが、ドライバーにとってはどうなんでしょう? 自分の車の近くをバイクに走られるのは、あんまり気持ちのいいものではないです。 機動性に優れるバイクは、自動車の目の前を車間距離も空けずに横切ったり、細い車幅にモノをいわせ、車と車の間もスイスイ走っていきます。 こんなことは、ライダーにとっては何でもないことなんですが、車幅感覚がつかみにくい車にとってはとても怖いことです。バイクが嫌われるのは、こういうところにもあるのです。 時を同じくして始まった「高速道路二人乗り解禁」、「AT限定二輪免許新設」、「バイク用ETC(秋頃予定らしい)」のため、今後、高速道路での二人乗りがさらに増えることが予想されますが、ライダーは後ろ乗せた人のことと、周りを走る四輪車にも気を遣い、二度と勝ち取った権利を取り上げられないようしなければなりません。
(text by ほ) |
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