もうすぐ発表! 2006年本屋大賞 [本]
4月5日、2006年「本屋大賞」が発表される。 今回は、この本屋大賞について、新聞・雑誌記事横断検索で調べてみた。 ●本屋大賞とは? 出版不況という言葉が聞かれるようになってから久しい。 そんな中、出版業界を店頭から盛り上げようと始まったのがこの「本屋大賞」である。 スタートは2003年9月。書店員、出版員15名が集まって作った”本屋大賞実行委員”が、インターネットで審査員と候補作を募集したのが始まりだ。こうして集まった書店員が審査員となり、2004年4月に第一回の”2004年本屋大賞”が発表された。 ちなみに、本屋大賞には「本屋大賞」と「発掘部門」の二部門が設けられている。 「本屋大賞」の対象となっているのは、発表される4月を起点として前々年の12月1日から前年11月30日までの1年間に刊行された日本人による文芸書、つまり小説。一次投票の審査員は1人3作品を選んで投票し、その上位10冊を全て読んだ審査員により2次投票が行われ、決定される。 「発掘部門」は、発表の前々年12月1日以前に刊行された(小説、マンガ等のジャンルを問わない)本から、審査員が1人1冊選ぶというもの。 なお、二次投票の候補作は1月後半に発表されるが(投票の締め切りは今回は2月末)、実際に本屋大賞が発表されるのは4月である。ちょっと間が空いているようにも感じられるが、これは、出版不況を反映して初版しか印刷されない作品が多いため、大賞候補作となった本を出版社に増刷してもらうための準備期間という意味があるという。 確かにせっかく店頭を盛り上げても、話題になっている本そのものがなければ意味がない。 最初は15人で始まった本屋大賞実行員は2005年12月にNPO法人化し、それと前後して「LOVE書店!」なるフリーペーバーの発行も開始するなど、店頭を盛り上げたい・盛り上げて欲しいという本屋大賞実行委員の願いが伝わってくる。 ●ベストセラーの後押しに では実際に、本屋大賞は受賞作の売れ行きや出版不況に影響を与えることができたのか。 ここで過去2回の本屋大賞受賞作をご紹介しよう。 第一回「2004年本屋大賞」を受賞したのは、小川洋子『博士の愛した数式』。 第二回となった「2005年本屋大賞」は恩田陸『夜のピクニック』が受賞。 こちらは現在、単行本のみだが約25万部が売れているという。 どちらも、もともと売れ行きがいいものではあったそうだが、本屋大賞受賞を追い風に、更に売り上げを伸ばしたという。 ちなみに、本屋大賞作品と映画は相性がいいのか、今年映画が公開された『博士の愛した数式』は興行収入10億円を超えるヒット作になっている。また、『夜のピクニック』も映画化が開始されており、今秋には公開の予定だ。 なお、書店以外での認知度を測るということで、新聞・雑誌記事横断検索でキーワードを「本屋大賞」として検索し、件数を確認してみた。 ●今年のノミネート作品と予想 さて、最後に2006年本屋大賞の候補作をご紹介しておこう。 桂望実『県庁の星』(小学館) 更に、蛇足且つ僭越ながら、タイトルと紹介文のみで立てた筆者の予想をひとつ。 本命はリリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』。 対抗は重松清『その日のまえに』。大穴は古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』。 本屋大賞の発表は4月5日。 (text by ゆ) |
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